土佐鶴は室戸岬を遠望できる高知県東部の安芸郡安田町にあり、酒造蔵のすぐ側を鮎おどる清流・安田川が流れています。
安田川の上流には日本三大杉美林の一つ魚梁瀬(やなせ・剣山系)が広がり、豊かな森林と豊富な夏季雨量が「酒造りの生命」ともいえる良質で豊富な水を恵んでくれます。
酒造井戸から汲みあげる仕込水は軟水に属し、バランスよく含まれたミネラルが酵母に健全で強い発酵をうながします。

原料米は、淡麗な酒を醸す高知県産米から吟醸に最適な酒造好適米「兵庫山田錦」まで目的に応じて幅広く使用し、自社の精米工場で特に厳選して精米します。
酒質を特徴づける酵母も柔軟に使い分けています。醸造協会酵母だけでなく、吟醸酵母や独自に育種した土佐鶴淡麗酵母まで、豊富なコレクションの中から米や目的の酒質に応じて最適な酵母を選択します。
酒造りの長たる総杜氏長は、名醸地広島(木谷杜氏)出身の池田健司です。酒造への探求心は年とともに深まり、妥協のない厳しい指導で蔵人を束ねて次々と美酒を醸します。